留学生が退学した場合
留学生が学校を退学した場合の対応についてご説明しています。
留学生が退学した場合の対応
在籍している教育機関を退学したときや除籍されたときは、「留学ビザ」は使えなくなります。
「留学ビザ」は教育機関で教育を受ける目的で許可されたビザだからです。ビザの効力を失いますので、外国人は日本に在留することができず帰国しなければなりません。
なお学校を休学した場合も、基本的には同様の対応となります。
教育機関退学後の手続き
教育機関を退学時に入国管理局への届出が必要になります。また出国時に在留カードを返納しなければなりません。
■退学時の手続き
退学した場合、教育機関の退学手続き等の他、退学時から14日以内に入国管理局に「活動機関に関する届出」を提出します。
退学後に帰国する場合や「留学ビザ」以外のビザに変更する場合は「活動機関に関する届出(離脱)」に、他の教育機関に転校する場合は「活動機関に関する届出(移籍)」に、退学と入学を同時に行う場合は「活動機関に関する届出(離脱・移籍)」に記載します。
■退学すると帰国しなければならない
退学すれば日本に在留する理由を失いますので、原則帰国しなければなりません。
役所関係の手続きを済ませ、「在留カード」を空港で返納します。
退学したにも関わらず引き続き日本に滞在していると「不法滞在」となり、場合によっては国外退去の対象になりますし、将来日本への入国が制限されることもあります。
他のビザに変更して日本に引き続き在留する
退学した外国人が他のビザに変更することが可能であれば、引き続き日本に在留することを認められる場合があります。
しかし他のビザへの変更はハードルが高いので、許可されるかどうかはわかりません。
■就労ビザへの変更
教育機関を退学後、日本で企業等に就職する場合「就労ビザ」の取得が必要になります。
この場合に取得するビザは、通常「技術・人文知識・国際業務ビザ」となりますが、「技術・人文知識・国際業務ビザ」取得には、原則大学等の卒業資格が必要になりますので、退学して大学等卒業の資格がない場合は「技術・人文知識・国際業務ビザ」が許可されない可能性が高いでしょう。
ただし、母国で大学を卒業後日本の大学に留学した場合で退学後すぐに就職が決まれば、「技術・人文知識・国際業務ビザ」が許可される可能性はあります。
また起業して「経営・管理ビザ」を取得する場合は、「経営・管理ビザ」は学歴を問われませんので取得できる可能性はありますが、出資金として500万円を用意するなど難しい面はあります。
■身分系ビザへの変更
留学生が日本人や日本にいる永住者と留学中に結婚した場合は、「日本人の配偶者等ビザ」または「永住者の配偶者等ビザ」を取得することができますので、退学後も引き続き日本に在留することができます。
また日本人や永住者以外の外国人と結婚し、外国人配偶者の扶養者になれば、「家族滞在ビザ」を取得して日本に在留することができます。
■他の教育機関に入学する
退学後、他の教育機関に入学することも考えられます。
しかし退学した段階で「留学ビザ」の目的である「教育を受ける活動」ができなくなり、その後3か月間が経過すると「留学ビザ」は取り消しの対象となります。
例えば10月に退学して翌年の4月に他の教育機関に入学するような場合、「留学ビザ」は取り消しの対象になりますので、他の教育機関への入学は難しいと言えるでしょう。
また退学すると「資格外活動許可」が認めえられずアルバイトはできなくなりますので、日本滞在中のアルバイトで生活費等を補っていた場合など、その後どうするかとの問題も発生します。
結論から申し上げますと、他の教育機関への入学が決まっており、入学直前まで前の教育機関に在籍し、新しい教育機関への入学直前に前の教育機関を退学しない限り、退学後他の教育機関に入学するのはかなり難しいと考えます。