留学ビザ
外国人が日本の教育機関で学ぶために必要な「留学ビザ」の取得の要件についてご説明しています。
留学ビザ
日本で学ぶ留学生は30万人を超え増加が続いています。
留学生の出身国は中国、ベトナム、ネパール、韓国、台湾等が上位国であり、アジアからの人気が高いのがわかります。
我が国においては、次のような目的から留学生の受入れを積極的に推進したいと考えています。
〇留学生を受入れることにより、留学生の出身国との相互理解と友好親善を進展させることができ、結果として日本企業等の海外進出や貿易の促進に役立つことになります。 〇若く溌剌とした留学生の力は、少子高齢化でハングリー精神を失いつつある日本を活性化させることが期待されます。 〇優秀な留学生が日本で就職すると、少子高齢化が進む日本において優秀人材の取り込みが可能となります。 |
しかし反面、留学を隠れ蓑として日本での就労を目的とした外国人を排除されなければなりませんので、留学生を受入れる教育機関は不法就労防止について、常に目を光らせる必要があります。
なお不法就労が多く発生している教育機関からのビザの申請は、通常よりも厳正に審査されることがあることをご留意いただく必要があります。
留学ビザとは
「留学ビザ」は次の日本の教育機関で、「教育を受ける活動」をするためのビザです。
【対象となる教育機関】
〇大学(短期大学、大学院を含みます) 〇大学に準ずる機関(水産大学校、航空大学校、防衛大学校、職業能力開発総合大学校等) 〇高等専門学校 〇専修学校の専門課程(専門学校) 〇高等学校(中等教育学校の後期課程を含みますが定時制は対象外です) 〇特別支援学校の高等部 〇中学校(中等教育学校の前期課程を含みます) 〇特別支援学校の中学部 〇小学校 〇特別支援学校の小学部 〇専修学校の高等課程、一般課程 〇各種学校(和洋裁、簿記、看護、インターナショナルスクール、予備校等) 〇日本語教育機関 〇準教育機関(日本の大学入学のための準備教育を行う教育機関) 〇設置および編成に関して各種学校に準ずる教育機関 |
■日本人の配偶者等ビザや家族滞在ビザをお持ちの方
「日本人の配偶者等ビザ」で日本に在留する外国人は活動の制限がありませんので、日本の学校に通う場合に「留学ビザ」に変更する必要はありません。
「家族滞在ビザ」は活動目的が「扶養を受けて行う日常的な活動」であり、学校に通うことも日常的な活動に含まれますので、同様に「留学ビザ」に変更する必要はありません。
■就労ビザをお持ちの方
「就労ビザ」をお持ちの方が、終業後夜間の大学に通う場合も、何らの許可を得ることなく認められます。
「就労ビザ」をお持ちの方が仕事をやめて大学に通うことには問題があります。
仕事をしていないということは「就労ビザ」の目的となる活動をしていないのですから、「就労ビザ」は取り消しの対象になります。また学校に通うことは「就労ビザ」の目的外の活動になりますので認められません。
どうしても仕事をやめて学校に通いたい場合は、「就労ビザ」から「留学ビザ」に変更しなければなりません。しかし「留学ビザ」では仕事をすることができませんので、どのようにして生活費等の収入を得るかといった問題が発生します。
■夜間や通信制での「留学ビザ」取得の可否
「留学ビザ」の対象となる教育機関について一部制限があります。それは夜間や通信制の場合です。
夜間に授業を行う大学院の研究科において、専ら夜間通学して教育を受ける場合は「教育を受ける活動」となり「留学ビザ」の取得は可能です。
※夜間に通学する大学院については、外国人学生の出席状況や入管法の順守等を十分に管理している体制がある場合のみとなります。
しかし大学院以外で夜間や通信によって教育を受ける場合は、「教育を受ける活動」から除かれ「留学ビザ」の取得はできません。
留学生について
「留学ビザ」を取得する場合、留学生について次のとおりの要件があります。
■聴講生や研究生の場合
大学等の聴講生や研究生の場合でも「留学ビザ」の取得は可能です。ただし次の要件が必要になります。
〇教育機関から入学の選考に基づく入学の許可を得ていること 〇教育機関において、1週間に10時間以上聴講すること |
■高等生の場合
留学生が高等学校で教育を受ける場合、次の要件が必要になります。
〇年齢が20歳以下であること。 〇教育機関において1年以上の日本語教育、または日本語による教育を受けていること。 |
ただし留学が学生交換計画や学生交換計画に準ずる国際交流計画に基づく場合は、上記要件は問われません。
■中学生、小学生の場合
留学生が中学校や小学校で教育を受ける場合は、次の要件が必要になります。
〇中学校で教育を受ける場合は年齢が17歳以下であること。 |
ただし留学が学生交換計画や学生交換計画に準ずる国際交流計画に基づく場合は、上記要件は問われません。
なお外国から相当数の外国人を入学させて初等教育または中等教育を外国語により施すことを目的として設立された教育機関(インターナショナルスクール)に入学する場合、外国人の年齢で制限されることはありません。
しかし対象者が20歳を超えている場合は、経歴や入学の理由等について詳細の説明が必要になります。20歳を超えている場合、初等教育や中等教育に馴染まないと考えられるからです。
■専修学校生または各種学校生の場合
留学生が日本語教育機関で教育を受ける場合を除き、専修学校または各種学校で教育を受ける場合は、次の要件が必要になります。
〇次のいずれか該当すること(日本語能力)。 | ||
①日本語教育機関で6か月以上日本語教育を受けた者。
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〇教育機関内に外国人学生の生活の指導を担当する常勤の職員がおかれていること。 |
ただし、インターナショナルスクールに入学する場合、上記のうち日本語能力は不要です。
※日本語能力試験については、次のいずれかで判定し証明されます。
〇日本語能力試験N2以上 〇日本留学試験200点以上 〇BJTビジネス日本語能力テストJLRT聴読解テスト(筆記テスト)で400点以上 |
留学生ビザ取得の要件
「留学ビザ」の取得のためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
■教育機関に入学または在学していること
要件の一つ目が「教育機関に入学または在学していること」です。この要件については次を満たす必要があります。
〇外国人が入学する教育機関が「留学ビザ」の対象となる教育機関であること。 |
■留学生本人に勉学の意思および能力があること
要件の二つ目が留学生の「勉学の意思」および「能力」です。
「留学ビザ」の審査においては単に学校に在籍するだけでなく、「勉学の意思」と「能力」が必要になるのです。なお「勉学の意思」と「能力」は次のとおり判定されます。
〇外国の大学、短期大学、大学院、専門学校を卒業した留学生は、特に否定する証拠がない限り「勉学の意思」と「能力」を有するものとされます。
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■生活費等の支払い能力
要件の三つ目が「生活費等の支払い能力」です。これは留学中の生活費や学費を支払う能力があるかどうかです。この「生活費等の支払い能力」は次のとおり判定されます。
〇原則、教育機関が初年度の入学金および授業料の支払いができると判断して入学を許可した事実をもって、「生活費等の支払い能力」があると判断されます。 なお実務上はビザ申請書(在留資格認定証明書交付申請書等)に記載した「滞在費の支弁方法等」をもって判定されることになります。
この場合、本人の収入や資産の状況、親族が生活費等を負担する場合は親族の協力を得ることができた経緯および親族の収入や資産の状況、奨学金を受ける場合は奨学金の給付額等で証明することになります。なお本人に預貯金などの資産がある場合は、資産を形成した経緯についても明らかにする必要があります。 |
在留期間
「留学ビザ」で許可される在留期間は、次の要件等から総合的に判断され、3か月以上4年3か月の範囲で定められます。
〇外国人の在籍予定期間 〇国費留学生、政府派遣留学生、大学院の博士課程入学予定者か、それ以外かの別 〇教育機関が大学以上か高等学校以下かの別 〇入学、在籍する教育機関における不法残留の発生率 |