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会社設立(「経営・管理ビザ」取得)の要件

カテゴリ: 就労ビザ 公開日:2020年11月20日(金)

外国人が日本で会社を設立し会社経営等をする場合、設立する会社に関する要件をご説明しています。会社設立後外国人は「経営・管理ビザ」を取得して会社経営や管理業務を行います。

定款と印鑑

 

会社設立(「経営・管理ビザ」取得)の要件

  • 会社設立のための要件はかなり緩和されました。そのため、資本金の額や取締役の人数などあまり気にせず会社を設立することは可能です。
  • しかし、外国人が日本で会社を設立する場合は、会社設立の要件の他、「経営・管理ビザ」取得のための要件を満たす必要があり、ビザの知識がない方が会社を設立すると会社はできたが「経営・管理ビザ」が許可されなかったという事態が起こることがあります。
  • そうなるとせっかく設立した会社は経営者がいない状態になり、出資した外国人にとって費用と労力の無駄になってしまいます。

 

税理士の方が会社設立をサポートすることがありますが、「経営・管理ビザ」の取得が必要な場合はビザに精通した行政書士に会社設立のサポートを受ける方がいいでしょう。

 

 

会社設立の手順

会社設立について外国人だから特別な手続きがあるというわけではありません。手順はまったく同じです。ただし、会社設立者が外国人の場合、次のとおり少し気を付けるべき点があります。

  •  
  • 1.会社設立の前提条件

  • 会社を設立するには、次のように準備するものがあります。しかし、日本に住んでいない外国人では準備が難しい場合があります。このような場合、日本に住んでいる協力者にお願いすることになります。
  •  
      (1)日本の銀行口座
       
    • 会社設立のためには資本金の振込先としての日本の銀行口座が必要になります。資本金の振込先がない場合資本金の振込の証明ができず会社は設立できません。
    • ビザを持っていない外国人は日本で銀行口座が作れないため、資本金の振込の証明ができないのです。
    • 日本で働いている外国人や、以前日本に住んでいた時に銀行口座を持っていた外国人は、この問題に頭を悩ますことはありませんが、銀行口座がなくこれからビザ申請をする外国人はビザがないため銀行から銀行口座の開設を断られます。
    • この場合の解決策として、日本に住んでいる協力者の銀行口座を資本金の振込先にすることになります。
         
      (2)事務所や店舗の賃貸借契約
       

    会社設立のためには会社の住所を定めなければなりません。また「経営・管理ビザ」を取得するためには、事前に日本で事務所や店舗を準備する必要があります。

    しかし、外国に住んでいる外国人は日本の住民票や印鑑証明書などの必要書類を準備することができず、また保証人を設定できないなど不動産賃貸借契約は難しくなります。

    この場合も日本に住む協力者にお願いして不動産賃貸借契約を結び、事務所や店舗を借りることになります。

         
      (3)4か月間の「経営・管理ビザ」の取得
       

    「経営・管理ビザ」では期間4か月のビザを取得することができます。この4か月間で、住民票や印鑑証明書を取得し、定款を作成し、口座を開設し、不動産賃貸借契約をするという趣旨です。

    「経営・管理」ビザの申請では、日本で会社を設立する意思があり会社設立がほぼ確実に見込まれるときは、会社設立後に取得する登記事項証明書の提出がなくてもビザを許可するとしています。

    しかし、4か月の「経営・管理」ビザでは、銀行口座の開設は難しく、不動産賃貸契約も断られる可能性が高いため、日本の協力者にお願いする方がよいのではないでしょうか。

 

 

  • 2.会社設立
  • 会社設立の要件が整えば、実際に会社を設立することになります。会社設立の手順は次のとおりです。
  •   (1)設立する会社の種類
       

    日本の会社の形態は4種類ありますが、通常設立するのは「株式会社」か「合同会社」です。その他に「合名会社」と「合資会社」がありますが新規の設立はほとんどありません。  

     

      (2)「株式会社」と「合同会社」の違い
       

    信用力は「株式会社」であっても「合同会社」であっても問題はありません。しかし「合同会社」は知名度が低いためその分信用力に劣ると思っている方もいらっしゃるかも知れません。設立費用や会社設立後内部手続きは「合同会社」の方が安く、手間がかかりません。「合同会社」は、小規模会社のイメージを持っている方も多いと思いますが、スーパーの西友やアマゾン、たばこのフィリップモリスジャパン、Apple Japanなども「合同会社」です。最近は「合同会社」も認知され、設立費用の安さや設立後の煩雑さを避けるため「合同会社」の設立数も増えています。      

         
      (3)「株式会社」と「合同会社」の比較
        「株式会社」と「合同会社」を比べてみたのが次の表です。

     

  •   株式会社 合同会社
    定款の印紙代 40,000円(電子認証の場合は不要) 40,000円(電子認証の場合は不要)
    公証人の定款認証 50,000円 不要
    登記時の登録免許税 最低150,000円(資本金額による) 最低60,000円(資本金額による)
    意思決定機関 株主総会 出資者
    取締役の任期 2年(最長10年) 任期の制限なし
    決算公告 必要 不要
    信用力・知名度 高い 低い

 

 

3.「株式会社」設立の手順

「株式会社」を設立する場合は、次のような手順となります。

 

手順 内容
定款の作成

会社設立を企図した発起人は最低限次の項目を決定します。

①商号、②目的、③本店所在地、④設立に際して出資される財産の価格またはその最低額、⑤発起人の氏名または名称および住所、⑥発行可能株式数

その他公告の方法、株主総会に関する事項、取締役の員数・任期、事業年度などを定め、作成した定款に発起人が署名、または記名押印をします。

定款の認証 作成した定款は、公証人の認証を受けます。
資本金の払込み

公証人による認証後、日本の銀行にある発起人の個人口座に出資金を払込みます。

設立の登記

すべての手続き完了後、法務局で会社設立の登記をします。登記には登録免許税がかかります。(登録免許税は資本金額に基づき決定されますが、最低額は15万円です。)また、代表者印(法人実印)登録もしておきます。

許認可の取得

建設業や不動産業、レンタルショップなど許認可の必要な業種は「経営・管理ビザ」取得前に許認可を取得しておきます。

税務署への届出

法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書などを提出します。

「経営・管理ビザ」の取得

上記手続き完了後、「経営・管理ビザ」取得のための申請を行います。
社会保険手続き

社会保険の手続きをします。従業員を雇うときは労働保険の加入も必要になります。

 

 

4.合同会社設立の手順

手順は「株式会社」と同じです。

ただし、「合同会社」の場合、公証人の認証が不要ですし、会社設立登記時の登録免許税は最低額が6万円になります。