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外国人を雇う企業の要件 - 大阪のビザ申請と起業支援なら行政書士 office ARATA

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外国人を雇う企業の要件

カテゴリ: 就労ビザ 公開日:2020年06月15日(月)

外国人を企業についてその要件をご説明します。企業の経営状態、規模により「就労ビザ」取得の難易度は変わります。

 

会社イメージ

 

外国人を雇う企業の要件

「就労ビザ」の審査は、外国人本人だけでなく外国人を雇う企業についても審査されます。ビザの許可・不許可は、外国人本人と外国人を雇う企業双方について総合的に判断されるのです。

 

「就労ビザ」の審査において、企業のどのようなことが審査対象になるかといいますと、「企業の経営状態(安定性・継続性)」と「外国人を雇う必要性」の2つが審査項目です。 

 

事業が安定し継続的に収益を上げることができ、そのうえで、外国人を雇う必要性がある企業に対し、雇用した外国人の「就労ビザ」が許可されるのです。

 

また、企業はその規模により「就労ビザ」申請時に提出する書類が変わります。 

大きな企業の方が小さな企業にくらべ安定性や継続性があり、入国管理局からの信頼度は高くなりますので提出する書類は比較的少なくなります。

しかし、小さな企業や設立後間もない企業は、安定性や継続性を証明するため、提出する書類が多くなります。 

 

 

企業の経営状態(安定性・継続性)

企業の審査の重要なポイントですが、外国人を雇用する企業は経営状態が安定し継続性があることが必要になります。

 

逆に赤字企業ではビザ取得の難易度は高くなります。

どのような企業でも、毎期黒字を続けるのは難しいでしょう。赤字決算となってしまう企業も多くあります。赤字だからといって「就労ビザ」は不許可になるわけではありません。しかし、赤字企業は事業の継続性に黄色信号が灯っていますので、黒字企業ほどには簡単に「就労ビザ」は許可されないのが実情です。

 

企業の経営状態は証明書類として決算書類を提出します。

赤字決算の場合、入国管理局に「今後も雇用した外国人に給料を支払えるのか」と疑問符を付けられ「就労ビザ」の審査は厳しくなります。

 

そこで、赤字決算となった場合は「今後の黒字化への見通し」を丁寧に説明する必要があります。 この説明は「事業計画書」を添付し、企業としての安定性をアピールすることになるのです。「事業計画書」は、先の見通しがしっかりと説明できる内容になっていることが重要です。

 

なお、債務超過になっている企業はさらに審査が厳しくなると言えます。通常の申請内容では不許可になる可能性が高く、赤字企業以上に売上が上がる根拠を示して、安定性・継続性を示すことが必要になります。

 

 

外国人を雇う必要性

外国人を雇う必要性については、「雇用理由書」を添付し説明します。

「雇用理由書」には外国人の履歴や雇用する必要性、外国人が企業内で行う職務、学歴や職歴と雇用後の職務との関連性などを書くことになります。

 

この「雇用理由書」は「就労ビザ」申請時の必須書類ではありません。任意に提出する書類になりますが、実務上は非常に重要な書類といえます。

 

ビザの申請は書面審査です。ところが「就労ビザ」の申請時に入国管理局に提出する必須書類だけでは、入国管理局は企業が外国人を雇用する必要性やその効果などを判断することはできません。そのため外国人を雇用する必要性などを知るために、入国管理局は追加の資料提出を求めることになります。追加の資料提供命令が出ると「就労ビザ」の許可が遅れることになりかねません。そこで「就労ビザ」申請時に「雇用理由書」を添付することにより、「就労ビザ」の審査がスムーズに行われるようにする必要があるのです。 

 

外国人を雇用する必要性や効果など、きちんと説明した「雇用理由書」を作成することが「就労ビザ」の取得に成功する秘訣となります。

 

 

企業規模

企業規模については特に制限はありません。社長一人の企業でも大丈夫ですし、個人企業でも外国人を雇うことができます。

 「就労ビザ」の申請では、企業規模が大きい方からカテゴリー1~カテゴリー3に区分し、新設の企業をカテゴリー4とし、「就労ビザ」申請時の提出書類を定めています。

カテゴリーの概要は次のとおりです。

 

 

〇カテゴリー1:上場企業等の大企業

〇カテゴリー2:従業員に支払う給与総額の大きな企業

〇カテゴリ―3:設立2年目以降の中小企業

〇カテゴリー4:新設の企業等

 

 

カテゴリーが「就労ビザ」の審査に与える影響

カテゴリーは企業の規模により区分されていますので、「就労ビザ」の申請時に提出する書類の種類や審査の可否判定の厳しさが変わってきます。

 

カテゴリー1やカテゴリ―2の企業は、入国管理局からの信頼が高く、決算書類等も公表されていることが多いため相対的に提出する書類は少なくなります。また「就労ビザ」の審査も許可されやすい傾向にあります。

 

カテゴリー3以下の企業は中小企業が中心ですので、安定性や継続性の証明がカテゴリー1やカテゴリー2の企業に比べ難しくなります。そのため「就労ビザ」の申請時に提出する書類も多く、「就労ビザ」の審査も難度が高くなる傾向にあります。

 

 

新設企業での外国人の雇用

カテゴリ―区分にはカテゴリー4が定められています。カテゴリー4は新設企業を対象としていますので、新設の企業でも外国人の雇用は可能ということです。

 

ただし、新設の企業はまだ決算をしていませんので、企業の経営状態を説明することができません。そのため、カテゴリー4の企業は「事業計画書」を作成して、収益が上がるビジネスモデルであることを入国管理局に説明する必要があります。

 

なお、「事業計画書」は新設会社だけでなく、既存の会社でも新規事業を立ち上げる場合には作成します。新規事業の収益性を示し、企業全体としての安定性や継続性を証明することが必要なのです。

 

 

カテゴリーの詳細内容

  • カテゴリ―の概要についてはすでにご説明しましたが、もう少し詳しくカテゴリー区分ごとの企業についてご説明いたします。どのような企業が対象になるのかご確認ください。
  •  

  • カテゴリー1の企業
    • 1.日本の証券取引所に上場している企業
    • 2.保険業を営む相互会社
    • 3.日本又は外国の国・地方公共団体
    • 4.独立行政法人
    • 5.特殊法人・認可法人
    • 6.日本の国・地方公共団体の公益法人
    • 7.法人税法別表第1に掲げる公益法人
    • 8.高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
    • 9. 一定の条件を満たす中小企業等
      (ユースエール認定企業、くるみん認定企業など一定の認定を受た企業です。)
    カテゴリー2の企業

    前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上である団体・個人

    カテゴリー3の企業

    前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

    カテゴリー4の企業
    上記のいずれにも該当しない団体・個人(新設の企業です。)

 

 

給与水準

外国人を雇うための要件については、経営状態や外国人雇用の必要性の他、もう一つあります。

それは、外国人の給与水準が同じ仕事をしている日本人と同等の給与水準であることが必要だということです。外国人を安い労働力として考えている方がいらっしゃるかも知れませんが、外国人だからという理由で差別的な取り扱いはできません。差別的な取扱いをすると「就労ビザ」は許可されません。

また、同様の趣旨で福利厚生制度も日本人と同様にしておく必要があります。

 

なお、外国人と企業との間には外国人を雇用するための「雇用契約」があることが必要です。

最近は、働き方の多様性によりフリーランスとして活躍されている外国人も増えており、企業との契約も「雇用契約」に限らず、企業からの委託を受けて働く外国人もいらっしゃいます。このような外国人との契約は「業務委託契約」や「請負契約」になる場合があります。

 

「業務委託契約」や「請負契約」でも「就労ビザ」は認められます。しかし、「雇用契約」に比べ「就労ビザ」の取得は難しくなります。

 

 

企業が準備すべき書類

外国人を採用し、「就労ビザ」を申請する際、外国人を雇用する企業は次の事項について証明しなければなりません。

 

  1.外国人を雇用する企業は、どんな事業を行っているか
  2.どのような職務内容で外国人を雇用するのか
  3.企業の経営状態はどうか
  4.外国人の給与水準はどうか

 

これらは全て書面で証明するため、これらの項目を証明するための書類集めが必要になります。雇われる外国人がこれらの書類を集めるのは困難です。したがって、「就労ビザ」申請にあたって企業は書類提出のための協力をしなければなりません。

 

1.外国人を雇用する企業は、どんな事業を行っているか

 登記事項証明書、会社案内、パンフレット、企業のホームページなどで、企業の事業内容を証明します。パンフレットやホームページがない場合、企業の実態や事業内容がわかりませんので、別途入国管理局への証明用に会社案内を作成する方が良いでしょう。

 

 

2.どのような職務内容で外国人を雇用するのか

採用後の配属先や配属先での職務内容、その職務に必要な専門知識、日本語能力はどの程度かなどを説明する文書を作成します。職務内容は「雇用契約書」等に記載し、加えて「雇用理由書」でその内容を詳しく説明します。

   

 

3.企業の経営状態はどうか

直近年度の「決算報告書(損益計算書や貸借対照表)」で財務状況を証明します。

また、カテゴリー区分のため「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を提出します。

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」とは、1年間(1/1~12/31までの)給与等(報酬・料金等)を支払った会社が、その明細を翌年の1/31にまでに税務署や市区町村に通知するために作成しなければならない書類のことです。

 

なお、赤字決算が続いている企業の場合、経営の安定性がないと判断されやすく場合によっては「就労ビザ」が不許可になることもあります。このような場合は、黒字化までの見通しを示した「事業計画書」を添付します。

 

 

4.外国人の給与水準はどうか

外国人の給与水準は同一の職種であれば日本人と同額であることが必要です。ただし、もともと日本人の給与が低い場合は外国人の給与が低くても問題はありません。

同じ職務内容なのに日本人に比べ外国人の給与が低い場合、不当な差別として「就労ビザ」は不許可になる可能性が高くなります。

この給与水準は「雇用契約書」や「労働条件通知書」で証明することになります。

 

 

外国人が派遣社員の場合

派遣社員でも「就労ビザ」の取得は可能です。派遣の場合、外国人は派遣元の企業に採用され、派遣先の企業で働くことになります。この場合「就労ビザ」の申請は派遣元企業がスポンサーとして申請することになります。

 

「就労ビザ」の審査で派遣の場合、外国人本人の他、派遣元の企業だけでなく、派遣先企業も審査の対象になります。

派遣元の企業については、必要な営業許可を得ているか、企業としての安定性や継続性があるかが審査対象となります。

 

派遣先の企業については、派遣された外国人がどのような職種の仕事に就くかが問題となります。派遣先企業での職務内容は、「技術・人文知識・国際業務ビザ」の対象となる職種に該当していることが必要です。