起業を成功させる14のポイント《Point7》
日本政策金融公庫から創業融資を獲得し、起業を成功させる!!絶対に押さえるべき14のポイント《Point7》をご説明してします。
起業を成功させる14のポイント《Point7》
さて、ここからは「創業計画書」の作成方法に入りますが、いきなり「創業計画書」に書き込むのではなく、事前に準備をします。
これからご説明する10項目についてノートなどに書き出してみましょう。
この作業はとても大切です。
数日、場合によっては数か月かけてじっくりと考えるようにしましよう。
1.起業日
冒頭お話しましたように、最初にノートに書き出すのは起業日です。
必ず具体的な日を書き込んでください。
起業日が決まれば、あとは今後行うべきことをスケジュール化します。
取引先の開拓、会社設立、許認可申請、店舗の決定、店舗工事、設備の購入、従業員の面接などです。
2.ビジネス内容とお客様のニーズ
今からやろうとするビジネスの内容を書き出します。
取扱い商品やサービス内容です。
次にその商品、サービスにお客様のニーズがあるのかしっかりと考えます。
社会的な意義があればなおよしです。
今は世の中に存在せず、これからお客様のニーズを喚起するような商品・サービスの場合、真にお客様のニーズに合致しているのかも検討しておきましょう。
3.自分の履歴、ビジネスに関連する経験
ご自分の学歴や職歴を書き出してみましょう。
学歴は、最終学歴を書きますが、いつ、何を学んだかが重要です。
特にこれから始めるビジネスと学歴がリンクしていると、創業融資には有利になります。
職歴はとても重要です。
いつ何をしたかです。
仕事の内容、役職、年収、苦労したこと、成功体験がある場合はその内容、仕事を通じて学んだこと、転職した場合はその理由などを書き出します。
その時々の思いも書いておきます。
「過去に経験のあるビジネスの方が成功しやすい」といわれます。
職務経験は6年以上がある方が良いといわれますが、経験がない場合は、その経験を補うため何をしたかも書き出します。
例えば、「調理修業のため1年間料理店に勤めた」、「関連する学校で学んだ」、「ビジネスに関するセミナーを受講した」などです。
資格がある方は取得日と資格名を書き出します。
普通自動車免許などは不要ですが、個人タクシーをされる場合などは、第二種自動車免許取得を記入します。
「創業計画書」に記入する資格は公的資格ですが、民間資格でもビジネスでの優位性をPRできるものであれば記入した方が良いでしょう。
最後に知的財産権です。
創業者で特許権や実用新案権をお持ちの方は少ないと思いますが、あれば記入します。
4.社名、組織
起業する会社の社名や屋号を考えます。
なぜそのような社名にしたのか理由があれば、その理由も書いておきます。
社名の選定する際は、いくつかピックアップして仲間やご家族の意見なども聞きながら決めると良いでしょう。
社名の検討と同時にビジネスを個人事業で行うのか法人(会社)にするかも考えておきます。
創業融資だけを考えると、個人事業でも会社でもどちらでも構いません。
しかし、一般的に会社の方が、信用力が高いといわれます。
また、ビジネスの相手方から、「会社以外は取引を行わない」といわれることもあります。
会社には、「株式会社」、「合同会社」と2種類あります。
ただし、設立の費用は「合同会社」よりも「株式会社」の方が高くなります。
※「合名会社」、「合資会社」という会社形態があり、これらを加えると会社は全部で4種類です。
また、新設はできませんが「有限会社」という形態もあります。
5.店舗、商圏、競合、取引先
店舗や商圏、ライバル、取引先等を検討します。
■店舗、商圏
店舗系のビジネス(店舗での商品販売、飲食店、ペットショップ、理美容院、接骨院)の場合、店舗を決める際は立地が重要になります。
また、店舗の立地の選定理由についてもきちんと押さえておきます。
物件の選定理由がきちんと説明できると、公庫の担当者へのアピールになります。
店舗の場所が決まれば、商圏内に対象者が何人位いるのか、人の流れはどうかなども調べておきましょう。
■競合(ライバル)
店舗系ビジネスの場合、商圏内に競合店が何店あるかが重要なポイントです。
競合店はどのような商品をいくらくらいで売っているか、飲食店であればメニューなども調べておきます。
■取引先
取引先は、販売先と仕入先に分けて、それぞれの販売シエアや仕入れシエア、取引条件などを書き出します。
売上代金や仕入代金の支払、回収時期なども調べておきます。
外注先があれば外注先も書き出します。
取引先を決めた理由があれば、その理由も書き出します。
例えば他より安い、品が良い、掛けで仕入れができるなどです。
■商品ぞろえ、値決め
商圏や競合の調査、取引先などを書き出した後は、経営戦略です。
例えば、どのような顧客に対しどのような商品を提供するのか、価格はどれくらいにするかなどを決めます。
飲食店の場合、メニュー作りは必須です。
6.行おうとするビジネスのセールスポイント
自社の強みを書き出してみます。
品揃え、価格、店の雰囲気、飲食店の場合は味など、細かく考えてみます。
また、自社の弱みも書き出し、弱みを補う方法も考えてみましょう。
7.ビジネスに投入する資金と他の借入金
ビジネスに投入する資金(資本金)額を決めます。
あとでご説明する予算表から起業時に必要な金額を計算します。
この金額から自己資金を差し引いた金額が、公庫から借り入れる金額になります。
なお、個人的な借入金があれば、その金額と毎月の返済額も書き出しておきます。
自宅、車、教育ローンなどです。
これらの借入金があるから創業融資を受けられないということはありません。
ただし、カードローンがある方は、創業融資ではマイナス評価になる可能性がありますので、創業融資を申し込む前にできるだけ返済しておきます。
8.従業員の雇用
従業員を雇うのか、雇うとすれば、いつ、何人雇うのかを書き出します。
人件費は収支見込みに影響します。
人件費の根拠、給与の支払条件などをしっかり示すことが必要です。
9.支出見込額の算出
仕入費用とビジネスで使用する機器、備品、什器等をピックアップし、それぞれ見積書を取寄せます。
ECサイトで購入物を決めた場合は、商品価格のページを印刷しておきます。
10.売上見込額の算出
売上見込額の算出は最も難しい作業です。
ビジネスの経験がない方やわずかな経験だけで売上高を見込むのは雲をつかむような話で、絵空事になる可能性が大きいからです。
売上見込額については、合理的な根拠のある数字を公庫の担当者に示す必要があります。
公庫の担当者は次のような計算方法で売上見込額を算出すると、合理的な根拠のある数字と見てくれます。
業種 | 売上見込額 | 具体例 |
店舗での商品販売業 |
単位面積(1㎡)当たりの 売上高×売上面積(㎡) |
売り場面積50㎡、1㎡あたりの月間売上高が10万円とすると 月商は、10万円×50㎡=500万円 年商は、500万円×12か月=6000万円 |
飲食店、理美容院等 | 客単価×設備単位数(座席数など)×回転数 | 3台の椅子がある美容院で、客単価が5000円、椅子1台の回転数が3.5回転、月25日稼働とすると 月商は、5000円×3.5回転×3台×25日=131万円 年商は、131万円×12か月=1572万円 |
自動車販売、化粧品販売等 | 従業員1人あたりの売上高×従業員数 | 自動車販売業で、従業員が5名、一人当たり月間売上高が200万円とすると 月商は、200万円×5名=1000万円 年商は、1000万円×12か月=12000万円 |
製造業や印刷業、運送業など設備に依存する業種等 | 設備の生産能力×設備数 | 部品加工業で旋盤が3台、1台当たりの生産能力が1日(8時間)300個、1個当たりの加工費200円、月25日稼働とすると 月商は、300個×200円×3台×25日=450万円 年商は、450万円×12か月=5400万円 |
なお、業種にかかわらず、客単価×客数でシンプルに算出しても大丈夫です。
小規模ビジネス者の場合、客単価×客数の方が算出しやすいかも知れません。
《Point7》 |
1.「創業計画書」作成前の10項目を押さえましょう。 2.売上見込額は根拠ある数字を示しましょう。 |